Etuji

艀はもやい綱をとかれて
沖へと流れてゆく

鴎が舳先をとらえ瞑目して深く思考する

おそらくこのとき
海は世界の涯までも穏やかな波だ

落日が暗い岸辺を輝かせて
静かに情熱が波打つ

艀は再び遠く幻の海を越えてゆく。


自由詩Copyright Etuji 2008-11-09 20:26:15
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