イオニア
umineko

孤独は ビタミン
孤独は 存在
孤独は 原子核

私の小さなマイナスを あなたの周りへと投げる
電子のひと粒で

私たちはつながっている
ように見える

私たちは触れあっている
ように見える

私たちは静止している
ように見える


私の
小さなマイナスが
雪虫のように飛ぶ

あなたが
あなたの街で
影を持たずに浮遊する
小さな虫を見初めたならば

あなたは
それを身にまとい
空の白さを見上げてほしい

原子核より孤独だった
ふたつのたましいを

つなぐ
マイナスの
影を持たずに浮遊する
白い 電子の

吐く息の
暖かささえ拒絶して

それでも
私はここにある

空の白さを
言い訳にして
 
 



自由詩 イオニア Copyright umineko 2008-11-09 11:51:02
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