浮腫
梶谷あや子

凄惨な夢と
自分を見ているしかなかったことを
もしまた、誰かが慰めるかもしれない
だからどうしても
掛け替えがない なんてものは
あなたには駄目だ、
今は笑ったのだから
幸せで、
幸せで
未来以外に余地もなくては


星散した時間が (単に
)閉塞するだけなのか、
それとも内側へ向けて膨れ続けるのか
甘かったカプセルみたいに
その風化自体
口にしなければならないのか
本当はできることを
これから先はできると言いたくない
流れ出るたましいを
堰き止める指を自分で外した
たった、あれだけのことが、
私に震える 声を殺させたのに





自由詩 浮腫 Copyright 梶谷あや子 2008-11-09 02:09:52
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