11月7日 メモならそれでいい
水町綜助

愛ということについて
そのことをぼくはたくさんの人々が考えては
よくわからないとその一言にまつわる
その一言のもつ浮力だけに頼るように
やりすごしてきた
ぼくはその一言についてまわる
さまざまな枕詞やあとに続く余韻や
きらびやかなまやかしごとかもわからないことを
目で見て
見ぬふりをして

それは不可視だと
そのあいまいさに期待し
期待は今日のやりきれなさをすかすから
その羽布団にあたまからしずんで
それで


愛とかいうもののその先があるらしい
なんの証明もそこにぼくは見つけられないけれど
そのただ二つの文字さえもあたえられないものがここにあることを
それをじかにうけていた
またはうけていることをいまただ直線的に信じている
あいまいだということはわかっているけれど
それがどうしたというのか
ことばをあてはめたとしても


自由詩 11月7日 メモならそれでいい Copyright 水町綜助 2008-11-08 01:10:47
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