散秋
唐草フウ


りんりんりん
秋の夜空からおちてくるのは
おうぎの、おうごんの
しゃんしゃんしゃん
セル画のごとく、ぱらぱらら
「今宵はたけのこごはんだよ」

しゃきしゃき
夜の秋は長いなんて
うそでしょう
短くてねむくなって
しぐれてしまうから
いつきてしまうのか 夜明けがわからない

落ち葉がおかねだったらなあ
そう思いながらげんかん先を掃く
花びらも落ち葉も
同じおもいで散るのかなあ


また生まれてくる春のために


寒々しいなかでうれしいことを考えていたい
くらやみの入り口で
これから冬という山のとざんぐちで
むかしを少し思い出したりしながら

ふゆがふりそそぐよ
あきが舞っているよ
また生まれてくるときのために





自由詩 散秋 Copyright 唐草フウ 2008-11-07 20:01:16
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