夜の魚
小禽


夜の車は魚のよう

鯨のお腹を撫でてごらん

石ころは皆ラッコの卵だよ

広場の彫刻に影が貼りついている

向こうで手を降ってるのは誰だろう

口の端から小さな泡

泡に浮かんだ小さな言葉

言葉は決して伝わらない

水面では古代の言葉が

軽やかな音ではじけている




自由詩 夜の魚 Copyright 小禽 2008-11-06 00:05:15
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