平熱
小原あき

熱が下がった朝
起き上がるとまだ
少しだけ喉が痛い
でも、気にならないくらい
だから
顔を洗う
洗濯機に洗濯物を入れ
スイッチを入れる


台所の椅子に座って
湯が沸くのを待つ
夫が階段を降りる音で
視線を扉に向けると
平凡な日々に戻ったことに
気付く


「具合、大丈夫?」
と言う意味が
一瞬
おかえり、
に聞こえたのは
気のせいだろうか




 即興ゴルコンダに投稿した作品




自由詩 平熱 Copyright 小原あき 2008-11-05 15:53:18
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