いらだつ祝日の、
たりぽん(大理 奔)


(暗い、くらいと
 ペットボトルを噛みつぶす響き)

クリック感の強い部分を
組み合わせて伝えようとする
瞬く、赤い
待機電灯の暗がりで
水槽のような
窓に浮かび上がるのは
存在の影絵
熱帯魚じゃないから
汗ばむ手のひらで
とどめようとしてしまう

言葉でつなぎ止めるものは
ことばより重くはなくて
手のひらが汗ばむ距離で
つかむもの
それが正しくても
間違っていても

知りたいだけ
暗闇でつながっている
言葉だけのあなたにも
汗ばむ手のひらがあって
だれのものでもない
名前と匂いを

知りたいだけ

(暗い、くらいと
 ペットボトルを噛みつぶす響き)




自由詩 いらだつ祝日の、 Copyright たりぽん(大理 奔) 2008-11-04 01:07:15
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