diva
エスカルラータ
生活のために消えゆく詩人
嵐の夜よ
おまえはもう
アイツを連れてくる事はないのか
たくさんのものを見送っていく
蒼いあなたは
さびしみを歌う
霊的なまでの美しさで
新たな宇宙を生成する声で
(赤裸々なハイトーンは運河を越えて、どこまでも窓を)
(刺して、)
赤い殴打
みずみずしく
果物の様に輝きを放つ
(ナイフのケースなんて)
(いらない)
eyes
紐解き揺れる
光雪の美の
静けさを得た中庸の中で
羽根が濡れてゆく水面の音に
いつまでも耳を浸していた、
あの冷たく冴え渡る樹皮の無情に
星を掲げたグラスを添えて―
掬おうとする気概だけが
霧散した、雨の形を
拾おうとして