鳩を待つ人
根岸 薫

たやすいのだと
気にしないで
昼間のデパートに
捨てては、
そのわりには
道がわからなくなるような
そう
多く
かちきな人たちが
地域へと
なだれこんで
じっとしている

それぞれの
主人が
待っているのに

きっと、

     あるじは誰だ
     おまえを
     誰も
     追いかけなくとも

     (まいにち)

(かえりたい)
でも

季節の

つらいところに
あらわれた鳩は
もっとあとに
どこへ帰る?
夜に
待つ人を
つくるなら
よろこび
かならず、




自由詩 鳩を待つ人 Copyright 根岸 薫 2008-10-31 20:27:25
notebook Home 戻る