午後九時
udegeuneru


荷物を送らないでください
荷物を送らないでください
もう押入は一杯です
おなかも一杯です
やさしさいっぱい
胸いっぱいで
胸やけ起こして寝込んでます
だからもうこれ以上
荷物を送らないでください


床にはでっかい洗面器
7リッターの大容量
タオルが散在
ださいセーター
どの箱の中も同じのど飴 缶詰 インスタント緑茶 かつおぶし
マスク 石けん ポケットティッシュ
鉛筆 色鉛筆 画用紙 メモ帳 ボールペン
ビジバッグ ビジバッグ ビジバッグ
もうあるから
使わないから
いらないから


頂く物は夏も小袖
いやいや物は使ってこそで
安物買いの銭失い
大事な物の置き場所ない
あわてる乞食は貰いがすくない
まったく全部捨てて燃やしたい


ちょっと待ちなさい
ちょっと待ちなさい
そいつら捨てるの待ちなさい
またいつか使うかもしれない
必要な人がいるかもしれない
ちょっと待ちなさい
ちょっと待ちなさい
それじゃいつまで経っても捨てられない
私の家は倉庫じゃない
あなたが持ってればいいじゃない


ゴミに囲まれて床で寝る
山積みの新聞で埋まるソファー
すべてをビニール袋に詰め込む
すでに包装されてるのにさらに包装
読みにくい手紙 メモ帳 すべての字を強調
あなたの頭の中を想像なるほど納得の態度や行動


まともにつきあったらおかしくなるよね
でもあなたは世界でただ一人のお母さん
俺は見捨てない
家ぐらいは建てたい
俺は見捨てない
ゴミは捨てるが
俺は見捨てない
俺こそが救助隊
俺と 俺の家族
まだ間に合うだろう?






自由詩 午後九時 Copyright udegeuneru 2008-10-30 13:47:47
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