惑う
星月冬灯


 私はまだ闇の中

 光のまったく無い

 暗黒の穴の中

 いくら手を伸ばそうとも

 天の陽(ひ)は見えず

 希望も夢も

 生きる糧さえも見い出せない


 もう抗う力も

 闘う勇気も

 湧いて来ず

 まるで獣のような呻き声で

 己を呪うのみ


 私はもう

 空を見ることができないのだろうか

 輝かしい未来も無く

 ただ情けなさに途方に暮れるばかりで

 もう何も

 持てぬのだろうか


 総て流れに流されて

 其処に自分の意志は存在せず

 堕ちる所まで堕ちて

 ふと気付いたら

 光の無い世界


 何を置いてきた?

 何を捨ててきた?

 何を・・・


自由詩 惑う Copyright 星月冬灯 2008-10-28 14:52:00
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