恐竜の記憶
beebee




種の起源を遡る
鯨にあるという地上の記憶のよう
身体の記憶に繋がる原初の記憶
納屋の藁束の上に横たわり
こころを拡げて探り当てる
目を瞑り腰から下の骨を意識すると
むくむくと骨が太くなった気がした
ずん、ずん、ずんと身体が大きくなっていくのが分る
口が裂けて奥歯が尖って来た
肩が怒り肩になり腕の曲がりが少し不自由になった
首を縮めながら天井を睨み付け
空を見上げ叫び声を上げるんだ!
声にならない声が四囲に響きわたった
地上のあまたの生物が警戒の声を上げたようだ
心はぞくりとして純粋な暴力の力に溢れかえり
歯をガシガシと噛み合わせた
首を回し後ろを睨み付けてみる
自分の姿を想像して満足した
なろうと想えばぼくは
恐竜になれた
目が覚めても藁束の匂いがぼくを野生に繋ぎとめる
ぼくは昔恐竜だった





もう1つの骨の記憶 『翼の骨の記憶 / いつかきっとsoraを飛ぶ』
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=236624




自由詩 恐竜の記憶 Copyright beebee 2008-10-28 10:43:58
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