ヌード
nonya


シャワーヘッドから
ほとばしる呪文で
昨日までの身体を
洗い流したら

有効期限切れの
プラシーボを
ペリエで飲み下して
街へはみ出る

手にした青が
全部フェイクだったから
もう絶対に
見上げないことにしていた空は

やっぱり素っ裸で
笑い転げていやがるから
脱げない自分に
また気づいてしまった

解けない魔法が
こびりついた靴で
約束のカフェに
踏み込めば

どうして君って
いつもそんなに厚着なの
って彼女は

衣なんか着せていない
歯で笑った


自由詩 ヌード Copyright nonya 2008-10-25 14:35:33
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