未だ降らない雪のとけることを思って空の向こうばかりを見る日々
因子

いらないと思ってたけどいらなくなかった
忘れられることが何より怖いくせに
忘れればかなしいことはひとつ 消える
わかっている


雪がとけるのは誰のせいなんだろう


明日の死と永遠の命がいっぺんに欲しくなった
目が覚めた瞬間に涙を流した
今日もあなたは生きていた
じゃあ明日はどうだろう

あなたもこうやって私をまもろうとしたんだろうか
俯いてほそい手を見つめただろうか
顔以外のよく似ていることを恨んでもいいだろうか


私はあなたから自由だろうか
そうでなければいいと、今はそう思っている


自由詩 未だ降らない雪のとけることを思って空の向こうばかりを見る日々 Copyright 因子 2008-10-24 22:31:41
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