いたみ
恋月 ぴの

叱るつもりが
感情に身を任せ怒っている
自分の醜い姿に気づく

ひとは誰でも
誰かを叱ったり怒ったり出来ないはずなのに

自らの思いを通そうとでもするのか
声を荒げてみたり
ときは手まで上げたりして

南天みたいな赤い実を付けたハナミズキは
頬を染めたようにほんのりと色づき
冬の訪れを知らせる北の風に揺れている

傷つけて傷つけられて
優しさの意味合いは出口の無い迷路に彷徨い

飲み込んだ言葉の重さに
秋の日はつるべ落としと陽はかげる




自由詩 いたみ Copyright 恋月 ぴの 2008-10-19 22:21:25縦
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