餅ついているうさぎは餅食われながら観られている
さわ田マヨネ

さんすんさき 目のまえの空がやみ
そこからまばたきをしはじめる
視られないあいことばをふりかけにして
だれかがシャンプーのためにかがむとき
にがみの背後で
あわはぱちぱちとしていた

かけおちする前のお母さんがいる

日をむかえると
虹色が空をうめるので
どうしても未来というノスタルジーは失せてしまった
それでも
蟻のくろさはちっていた
視られなかったが
ささやかに光っていた
夜になると
排水口へ向かうのだろう


自由詩 餅ついているうさぎは餅食われながら観られている Copyright さわ田マヨネ 2008-10-19 18:08:58
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