メニスカス
朱雀

破色の風が吹く街に

千の瞳が上滑り・・・

渇いた時を 遣り過すには

いくつ 口実りゆうがいるのだろう?


事も無げに あいつは笑い

滲んだ空を見上げているから

素っ気無い振りをして

嘘つきな眼鏡を捨てた


上目遣いの視線の先で

尖った痛みが

ちぎれた雲に跨り

繋いだ指に 秋がひとつ落ちる


引き返せない迷路に

分かれて 流れて 引き合って

ゆらぎに映る二人は

零れた水銀に 似ている


自由詩 メニスカス Copyright 朱雀 2008-10-18 23:39:15
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