reflecting telescope take2
あすくれかおす

だれかに渡した
ことばが迷子
あーとか
うーとか
声だけ響く

いっつも
いつも
たどたどしいこと言ってるねえ
ちかづいた
さあはりきって間近
チ カ チ カ
ちか 力になりたくって
くってね
なんてね
ブランコしている
両目のおさかな
じょうずに泳ぐ
メニ メニ
さざ波
反射している
あははと笑う
浮き輪の彼女
涙よりも
ずっと大粒に光る
アレは
波だ 
波なんだ
ア ラ ナ ミ ダ

***

そんなあらすじを知らんぷり
初めてちゃんねと
挨拶している
縮んだセーター
みたいな無気力
空腹だし

ギターのヘッドに
好きです
すき屋の
ステッカーはってみて
自分の怠惰をみとめて
とうとう十時半
夕食に歩く
(好きです)



夜がくればさ
都会だって街灯が
田舎だって星が
光って巡っていくんだし
間違いじゃないんだよ
国道沿いになーんにもなくっても
心配しなくていいからね
方言の神様
あるいは伝言ゲームの神様
伝えてほしい
どうにでんなるけんね
よかごつせんね


刈り取られた田んぼに
こっそり生えくる稲たちが
何の気ないまま露つけて
朝日にどれほど輝くか
知っているかい
明日はそれを見に行こうよ


ああとか
ううとか
道しるべにして
旅に出ましょう
答えがもうあっても
伸びていくこと
楽しみましょう
白線よりも
楽しみましょう


あふれだした
湯船に飛び込んで
もいちど浮きあがって
世界をつくろうか


引き戸の機嫌が悪い
Jump&Jumpお二階の子どもら
(一人暮らし)
シュウマイの皮がふわふわと遊んでいる
テレビ番組で同時に笑う
(壁が薄い)


(さとうつぶより
しおつぶが先輩
だって海が近いんだもん)

あやふやな腹持ちでコンビニ
辛いやつか(カレーパンか)
甘いやつか(アンドウナツか)
吟味している
海育ちの人


迷子過ぎてことば
モーミツ・カンネーヨ!
そういう名前の
ミラノ風ドリア風  
に乗って
帆船はゆく
あーとか
うーとか
声だけ交わして
航路をゆくの
とっても愉快


積み木で作った羊のかたわらで
うとうとまどろみ
夢をみている
ペタぽん 
ペータン
羊飼いのあだ名を
草むらに落としてまわる夢
(ことば)
そんな風に夢がひろがりますように
(点して)
きっとどこかで元気でいますように
(道をゆく)


続いていくのは
声の旅
ここからはじまる
声の旅







自由詩 reflecting telescope take2 Copyright あすくれかおす 2008-10-16 19:47:23
notebook Home