デジタル時計
小原あき
デジタルの時計を見ている
タイムスリップを繰り返している
1が出て唐突に2が来て
3がその上に重なっていく
分の十の位が一の位に話しかけていて
突然相手が変わったので
びっくりしている
驚いた顔をしたまま
十の位も違う顔が重なった
繋がっているようで
本当はすべて
ひとこまひとこま分かれていて
横にいるこの人も
いつの間にか違う顔に変わっていたりして
わたしが驚いている間に
別の人がわたしになる
誰かがわたしの場所に
わたしの上に重なると
わたしはどこに行けばいいのか
さっき驚いた顔をしたまま
いってしまったあの数字も
また巡って現れた頃には
新しい顔をしていた
巡って
新しい顔になる
横にいるこの人も
わたしも
十の位が
さっき話しかけた一の位と再会して
なんだか嬉しそうだ
今はあの時と
まったく別の話をしているけれど