yo-yo

小さな指のさきで
木の実をひろいながら
ドングリ
という言葉を
娘は覚えた

昼間のつづき
眠りの窓をしめて
散乱する
ドングリと戯れていた
ことばと戯れていた

ひとつふたつと
みっつまでは数えられる
そうやって
木の実のように
いのちを足していった

歓喜して
保ちきれずに
小さな手から零れおちる
秋の言葉は
まだ知らなかった







自由詩Copyright yo-yo 2008-10-14 07:57:23
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