今村知晃・木のうろ・カフェの内装からなるコンポジション(2008年10月18日ポエトリーワークショッ...
イダヅカマコト

(2)のこと(3)のこと(4)のこと

制作方法について:
2008年10月13日に秩父・ポエトリーカフェ武甲書店にて行った秩父お散歩ツアー&ポエトリーワークショップにて制作。
参加者がそれぞれ持参した写真2枚と今村知晃さんの朗読写真5枚より制作。(制限時間:10分)
制作後、参加メンバーで交換しあい、制作した詩を翻訳。(制限時間:5分〜7分)
翻訳した詩をさらに翻訳(制限時間:5分〜7分)。翻訳を繰り返す。
参加者全員によるの翻訳を元の作者本人が翻訳するまで繰り返す

参加者:
落合朱美、佐藤銀猫、白糸雅樹、イダヅカ(名称は自分以外50音順・敬称略)

元ネタの画像下記URLの今村知晃・イダヅカマコト元ネタ
http://literture.jugem.jp/?eid=19









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原作:イダヅカマコト


居坐りの悪い座布団が床に並んでいる
木のうろでおちていく 少女のおしりのようだ
ゆがんだ時計の時針が
不意に曲がって三時になろうとしている
引き出しが隙間なく並んだ壁を引くと
貝が入っている
中身を引き出そうとすると
もっと深くに肉が取り出せそうだ
たった一人でえぐっていると
道のように
ごつごつした貝が
枝のようにひろがっていく






















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(2) 原作を落合朱美が翻訳


すべてが私を否定しているようだ
私がすべてを否定しているのかもしれない
ゆがんだ時間のゆがんだ空間の中で
私はなにかをさがしているのだが
何を探しているのか分からないまま
引き出しを開けている
それはまるでたった一人で歩く
道のようで
けれどその道は貝のから
どこかに行き着けそうなのに
どこにも行けずに立ち止まる
























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(3) 落合朱美による訳*1を白糸雅樹が翻訳



世界が私を否定している
いや、否定しているのは私だ、世界を。
ゆがんだ時間のゆがんだ空間の中
私は引き出しを開け、閉める
冷蔵庫を開け、閉める
一体何を探していたのだろう
一人で歩む 一本道
どこかに続く 一本道
その一本道で迷子になる















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(4) 白糸雅樹による訳*2を佐藤銀猫が翻訳


私には色がない
かといって透明でもない
この世の約束事を
すべて破ってしまったからか
心の奥底の引き出しを
開ける、閉める
開ける、閉める
しかし何も出てこない
失ったものはなんだったのか
とうの昔に忘れてしまった
ただ延々と続く
呼吸の繰り返し

―――生きる。












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(5) 佐藤銀猫による訳*3をイダヅカマコトが翻訳


呼吸をしつづけている
箱にとじこめられたまま
刺すための針は
かさの中にしまわれてしまった
かつて私を作っていたものが
手に入ることはない
きっとどこかで
憶えているはずの
自分の居場所まで
どこにもつながらない
いきをしている。















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自由詩 今村知晃・木のうろ・カフェの内装からなるコンポジション(2008年10月18日ポエトリーワークショッ... Copyright イダヅカマコト 2008-10-14 01:22:15
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写真を使った即興と翻訳作品@ポエトリーカフェ武甲書店 2008年10月13日