詩食
ヨルノテガム



彼はサンドイッチを食べる
彼はサンドイッチを食べない
彼はサンドイッチだ
彼はもちろんサンドイッチではない
彼はサンドイッチ屋さんになる
彼はサンドイッチ屋さんにならない
サンドイッチの話はもういい
食パンの話にしてくれ
彼の話はもういい
彼女の話にしてくれ

彼女は食パンを食べる
彼女は食パンを食べない
彼女は食パンだ
彼女はもちろん食パンではない
彼女は食パン屋さんになる
彼女は食パン屋さんにならない
彼女もパンの話もいらない
いらないったらいらない

おかまはおなべのフタをあける
おかまはおなべのフタをあけない
煮えている 煮えていない
食べられる 食べられない
食べられない 食べられない
もう素敵な彼と素敵な彼女が
素敵なおかまと素敵なおなべに
食べられてしまって
食べられなくって
フタをする、フタをしない

サンドイッチの中身は何処へ?

食パンの耳をはさんだサンドイッチの登場
只今、売れに売れて
彼と彼女とおかまとおなべのお店。











自由詩 詩食 Copyright ヨルノテガム 2008-10-13 18:49:49
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