ローテーション
HTNYSHR

運動の継続がいつからか快楽を産んだ
回り続けることを繰り返すうちに
どうどう巡りの道筋をすら不思議とは感じなくなった
漕ぎ始めた自転車のように
慣れ親しんだ道を慈しむように
昨日の苦悩と今日の安楽はギッコンバッタン

油の切れた歯車が軋みながらも回っている
回り続けることだけが
不快な金属音から逃れる術だった
同じ道を歩きながら
同じ嘘を吐きながら
昨日の僕と今日の僕とがズレていく

最初と最後は誰も知らない
とまることが億劫なために
ただ何となく続けているだけ
繰り返していく僕の景色の中で
何処かの誰かと目が合った
昨日の僕と今日の僕明日の僕は昨日の僕


自由詩 ローテーション Copyright HTNYSHR 2008-10-12 23:16:58
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