生きる
高橋魚
石から人の想いを感じ取る
櫛に平和を思い浮べる
僕はそこに僕を見る
はっきりとした輪郭の
名の知れた詩人の詩に
美を感じる
店で流れる知らない曲に
耳を傾けている
僕はそこに輪郭のはっきりしない僕を知る
こんなところにも僕は居たのか、と
驚きを伴って
そんな不親切な僕に会うために
裸にするために
僕は今日も生きている
僕はあと何人いるのだろうか
自由詩
生きる
Copyright
高橋魚
2008-10-12 22:14:31