開眼
伊月りさ

戻ってみると
それは満を持していて
あああはち切れそうだったのだ
と知る

傍観から身をよじって
ひらめいた監視を
始めたのは、そこにわたしが懸かり始めたからであって
勿論、
出した指先も弾かれるし、
なにか赤い水滴もキラめくような
恐ろしい巨きなやつも勿論、います
そして胸骨の隙間から内蔵を狙う
わたしを試すたくさんの目があるのだけれども
真っ直ぐに、わたしは
射らないではいられない
認知を、
認知していると主張をし
ないではいられないことを
自意識と呼ぶかも知れない

考えていることが成長なのだとしたら、
慶ぶ
方々を裏切りたくなるので、杞憂
わたしは青い

遠い、
呟くあなたの伏し目を
光らせるなよ、
わたしの言葉をわたしだと思うな、
と唾を飛散させるこの両眼
皮の堅いままに
切り離されても育っていく
この
止めどない先端は、なにを
見ている


自由詩 開眼 Copyright 伊月りさ 2008-10-11 11:10:59
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