小川 葉

 
それからどうしても
行きたいところがあると言うので
つれていった

寝ているときは
額に汗をかく人だった
まぶたの裏の世界でも

雨が降っていた
誰かの涙なのだろう
誰かがとおった道なのだろう

行きたいところへつれていくには
二度ともどることのない
道をひとつとおった
 


自由詩Copyright 小川 葉 2008-10-11 02:25:52
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