翌朝のカレー
かんな

キッチンに立つ
あなたの姿
トントン
包丁が野菜を切る
まな板の音が
デクレッシェンド
わたしは心地よく
耳をそばだてる
ジュー
炒める音は
カレーの子守唄で
眠りにつく
好きということばも
今日は
ベッドにもぐりこむ
目が覚めると
もう翌日の朝
あなたの姿はないけれど
ほっこり
カレーが出来ていた
テーブルにメモ
いってきます
キッチンに立つ
わたしがひとり
フライパンに
卵を一個落とすと
目玉焼き
ふわっと
カレーに
わたしの愛をのせて
食べる
あなたには
気づかれないように


自由詩 翌朝のカレー Copyright かんな 2008-10-10 21:32:30
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