自慰
nonya


目頭にこびりついた
ノスタル自慰を
擦り落としたら
液晶で描かれた
瑞々しい少年は
皮肉っぽい脂身になっていた

買い置きしすぎた
ファンタ自慰を
解凍し損ねたら
活け作りのつもりの
懐かしい風景は
年老いた箱庭になっていた

齧りかけの
アストロロ自慰を
どんなに曲解したところで
未来にも過去にも
コトノハの星は
瞬いていないというのに

痩せ細った
ポエ自慰を
使い回してまで
書きたいという
やるせない匍匐前進を
止めようとしない僕の患部は

何処で生まれ
何処へ帰ろうとしているのだろう


自由詩 自慰 Copyright nonya 2008-10-08 22:18:23
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