眼窩
れつら


最後に

風が吹くところはどこだ
視界を扇にして乗せる水平は
歩数の速度で揚力にやられr
あがったままの目蓋も
知らぬうちに寸断されているという
たとえば心音

これは事故だ
何度も発見される現場は
水滴で濡れている
濡れていく
扇は小船
流れていく闇色や空色の合間
首が前に惹かれている
ひどく
ぬるく撓んだ身体の
残りを引き摺って


そして路肩には
全てのものが残る
相対したわたしを纏めることは忌みたいが
残ったものが全てだ

首筋にでも
どこへでも切り込みを入れてくれ




自由詩 眼窩 Copyright れつら 2008-10-08 18:12:57
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