疾走する虚像
kauzak

窓の外には二重世界
流れる夜景に重なる
車内風景は簡単に反転して

揚げ餅を食べる自分と目が会う
それは疾走する鏡像/虚像だけど
あちらから見たら僕が虚像に違いない

快速電車が途中駅を通過する瞬間
車窓と車内が溶けあって
訳の分からない形が浮かび上がる

僕と虚像も溶けあっているのだろうか
気がつくと携帯のキーは
揚げ餅の油でテラテラに光っていた


自由詩 疾走する虚像 Copyright kauzak 2008-10-06 23:39:54
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