花の種
依
人を生きる、という行為について
その明滅をとらえることは
まるでひとつの灯火のようだ
どうしようもないくらいに
淡くて
美しい感情は
もう消せなくなって
僕らはいつの間にか
泣くことを覚えた
血液と、有機的な何らかの構成要素
あとは少しのエゴと本能
命の匂いが混ざり合って
生まれる、という現象が起こる
種を、僕らは蒔くのだろう
柔らかな母体と大きな手に
期待など
最初からしない
花だと思えばいい
自分も
宇宙も
花の種
僕らは、まだ
そう言って
笑うことが出来る
自由詩
花の種
Copyright
依
2008-10-06 23:17:56
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