おもう
かんな
部屋でひとり
ぽつり
窓の外を見ると
空が落し物をしていたので
拾いに外へ出る
最近おもう
ふり返ると
いくらか沢山のものを
落としてきました
過去という
それを拾うことは
なんだか
言い知れないことのようで
ふり向きもせず
空もきっと
同じように思った
かもしれない
落としたものなど
拾ってくれなくていい
外に出て
道路に落ち込んだ
水滴を
手ですくおうと
するけれどつかめない
やはりおもう
過去というものは
つかみ切れない
さみしさでは
ないですか
空に投げかけるけれど
返事はない
あきらめて
部屋に戻ると
いくばくか
すくえない過去について
おもう
すると窓の外に
見えた
空に
薄っすらと浮かぶ
虹の橋
ああ
これが
どこへつながろうとも
ただ
おもう
こんなにもうつくしい
過去がある