さんまをやいて
りゅうのあくび
ことしも
うみのむこうから
かなうことのない
えんきょりれんあいのとちゅうで
ぐうぜんりょうしのあみにかかり
しょくたくへと
ぐちをこぼしにでも
やってきたはずなのに
あいさつもなく
めをあけたままで
ねむっているようにみえる
いっぴきのさんま
いしのなまえでいえば
おぱーるのような
すっきりとして
あでやかな
ぎんいろをしていた
こまかいうろこが
よるの
だいどころでは
にんげんのてによってともされた
あたたかいほのおで
じっくりとやけこがされて
においにつられて
いえのなかで
さっきまで
やんちゃにとびまわっていたねこが
ひだりうでにとらわれては
だいこんおろしには
めもくれずに
よこたわった
さんまにむかい
ぐるるるにゃーとないて
すきとおるこえは
あきのよぞらになる
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猫詩集