くるみ
ふるる

カシッ

くるみの殻
秋の日差しのなか
乾いた破裂音

くるみの林
赤や橙に色づいて
かさかさ揺れているかな

ひと吹きでぱらぱらと
涙のようではなく
思い出のようでもなく
落ちてゆく葉

くるみの木の枝は
高くなる空へ
手を伸ばしては
あきらめる

秋の日差し
ため息

ケーキを焼こっかな
バターとくるみの焼けるいい匂い

背伸びしても
肩までしか届かなかった

なんでいないんだろう
なんでここでくるみを
割ってくれないんだろう

カシッ

て。


自由詩 くるみ Copyright ふるる 2008-10-02 00:05:12
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