半魚人
桜 葉一

僕のママは半魚人だ
だから僕はクォーターだと言っても良いだろう
クォーターってなんだかかっこいいな
って思うのは僕だけじゃないはずで
ハーフよりも2倍ほど反比例して
かっこいいとおもう

僕はママのことが大好きだし
魚だったおじいちゃんのことも大好きだった
だからおじいちゃんが食卓に出てきたときは
すごく悲しくて家族みんなで
泣く泣く食べたのを覚えている
それはきっとなにかの儀式だったのだろうけど
そのときの僕には理解できなかった

いつか僕が人間と結婚して
子どもが生まれたら
クォーターのその2分の1が
なんて言うのか僕は知らないけれど
その体に僅かに流れる魚の血に
誇りを持てるよう
おじいちゃんと同じ魚を
「これがお前の曾爺ちゃんの勇姿だぞ」と言って
食卓に出して食べさせようと思うのだ


自由詩 半魚人 Copyright 桜 葉一 2008-10-01 05:01:26
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