たそがれ茜
フミタケ

追い越せない 届きそうにない
あの影の群れ 冷たい影 あたたかい影
会心の想いを声にした後 
やるせない気持ち 優しげな笑顔
明日がくる
追い越せない 届きそうにない
そう
人々の影の群れ たそがれ茜

思い出すことが花のように 花のように舞っている
背の高い窓を開け 懐かしい街 遠い街
独りよがりに君の面影描く
....描く
追い越せない 届きそうにない
そう
人々の影の群れ 陽炎の揺れ

ゆずれない事に歯ぎしりして
寂しさは勇気の裏返し
何にも聞こえないよ 何にも聞こえないよ
君は一人さ 何にも聞こえないよ 言葉は聞こえないよ
静かすぎて鼓動のビート
聞こえるのは鼓動のビート
君は変わった人さ 僕はよく知ってるよ
あんまりあたりまえのようで想像できない
あんまりあたりまえのようで想像つかない
君の瞳に映る世界
君の唇からこぼれる太陽の息づかい

記憶の隅で距離を測る
好きだった日々は写真のようにはっきり思い出せて
ずいぶん遠くにあって
その時感じた場面そのままには写真に映しこめやしない
人はそれぞれの時間を泳いで偶然 出会う
人はそれぞれの時間を泳いで必然 出会う
ねぇ今どの辺りかね?
ねぇ今どの辺りかね?
ねぇ いま どの辺りかね?
ねぇ今 どの辺り かね?
追い越せない 届きそうにない
そう
人々の影の群れ
たそがれ茜


自由詩 たそがれ茜 Copyright フミタケ 2008-09-29 23:24:13
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