童話(物語)
たもつ


最初から
おじいさんや
おばあさんが
いたわけではないのです
ただ風ばかりが吹く
何もない夕暮れのようなところから
むかし、むかし
と物語はいつも始まるのでした
やがてお話が終わると
また夕暮れのようなところで
風ばかりが吹く
そのようにして物語は
語り継がれていきます
母さん
その風の音を聞きながら眠るのが
わたしは好きでした





自由詩 童話(物語) Copyright たもつ 2004-07-30 10:24:49
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
童話