オフィーリア
笹子ゆら

冷たいくちびるが薄く開いて
なにか小さく歌うのだけれど
柔らかなはずである旋律はどこか遠く
森の中に消えてしまっているようで
やけに静かだった

たゆたう水
呼吸を忘れる前に花弁を携えて
わたしは溺れる


ああ、幼き毒を得たあなたの
眼を潰してしまいたい
そう願うことでさえも
今となっては罪なのだろう

故に、それは浅はかな幻か


それが美しかったなどとは
とてもじゃないけど言えないから

祈ろう



わたしはあなたの、永遠でありたいのに




自由詩 オフィーリア Copyright 笹子ゆら 2008-09-27 22:31:16
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