真夜中にダンクシュート
小川 葉

 
いつからか
真夜中になると
ダンクシュートの途中で
目を覚ます

眼下には
シュートを終えて
遠いところへ歩きはじめる
祖父がいた

ボールがやわらかく
バウンドしながら
その後を名残惜しそうに
ついてゆくのだ

祖母はどこだろう
さっきから
餅を焼くにおいがしてる

焦げていたのだ
 


自由詩 真夜中にダンクシュート Copyright 小川 葉 2008-09-27 00:38:34
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