伝言ゲーム
umineko

ふらっとでいこう。

何にも迷わず。いや迷うのはいい。迷うのは出口を探すからだ。
ここは360度の透明な海。出口もなく。入り口もない。

誰かがドアのふりをして私のそばをすり抜ける。
おはようって私は言う。
その誰かはそのままいってしまう。
ヘッドフォンだけが答えている。

ふらっとでいこう。

私を刻む必要はない。
私はここにいながらここにはいない。
私は実体がありながらいつも何かを否定している。
幽霊は。
柳の下で待っているのださみしいからさみしいからさみしいから。

あなたに愛して欲しいのだ。
シニカル。困ったように微笑むのはやめてね困ってるだろうけどさ。
ねえ遠いけどそっちいっていいかな。別に何もしないよいい子にしてる。
してる。
じゃまなんてしない。

海が透明なのか私が透明なのか。すべてが透明なのか。
小さなあぶくになりたい黄色と黒のあのフィッシュの
口元からきょとんと流れたい。

それともあなたを忘れるくらい。
熱い夏に息絶える。
  
  
  


自由詩 伝言ゲーム Copyright umineko 2004-07-29 20:08:33
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