「 異食。 」
PULL.







坂の上の首ひと房もいで肩に乗せ収穫の季節はじまり。

頭皮を剥いて囓れば滴る脳髄とろとろと舌を潤す。

虚ろに鬼女映す眼球舌で舐め抉り味噌に漬ける。

串に刺した唇に塩をふり七輪で焼いて肥料もてなす。

解体した肥料はずるずるとまだ逃げだそうと土間を這いずり。

生きた眼球はすこしかたく箸でふたつに割ると涙を零し。












           了。



短歌 「 異食。 」 Copyright PULL. 2008-09-24 19:06:16
notebook Home