大人になるという事
蜜柑
時々子供のように
自由奔放に本能に従って
手足をばたつかせながら
泣き叫びたくなる
大声で泣き叫びたくなる
本当は誰かに気づいて欲しいのかもしれない
本当は誰かに理解されたいのかもしれない
本当は誰かにすがりたいのかもしれない
いつからか素直に泣けなくなった
欲しい物を素直に欲しいと言えなくなった
我が儘を言えなくなった
誰かの胸の中で慰められながら
安心して泣き疲れる事もなくなった
私の涙はいったい何処へ
何処へ行ったのだろうか…
私が大人になって失った物は何だろう
私が大人になって得た物は何だろう
今では平気で嘘もつけるようになった
愛想笑いも出来るようになった
ただ今思うのは
あの日、あの時
あんな大人になりたくないと思った私は
あんな大人に成長してしまった
戻る事は出来ない
何処で間違えたのかなんかわからない
もしも私に子供が出来たならば
私は何と言えばいいのだろう
私の涙が長い長い旅から戻った時
私は笑えるだろうか
私は温かい涙を流せるだろうか
この冷え切った冷たい手を心を
誰かが暖めてくれるだろうか
そしたらきっと、その時こう思うだろう
あんな大人も悪くはないと