朝と熱
木立 悟






水へ空へ振られる手
野に沈む鉄
鉄に湧く花
近づいてくる曇の光


すべてを縦にずらした景が
樹から樹へと伝わってゆく
氷と浪をくりかえし
光を光の外に置く


雨の上の鼓動
雨の上の白
地には緑
鉄まとう緑


遠く折り返し 流れは帰る
裏返り裏返り 元へと戻る
落ちては落ちる時間のように
少しずつ異なる姿をさらす


泥の上の羽音
橋の陰のとまどいとためらい
どこもかしこも光の殻で
ひらくように曲げられている


鈍 青 鉛
変わりつづける色のあつまり
地に空に平行にのびつづけ
すべての飛沫を受け入れてゆく























自由詩 朝と熱 Copyright 木立 悟 2008-09-19 22:33:00
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