ティッシュ詩集
小池房枝

ポケットティッシュに
詩を印刷して配ったらいい
一枚一枚にでも
広告の裏紙部分だけにでも
やる気ないときは
通りすがりの一人一人に
二ついっぺんに無言で突き出したりね

それでそれもらった人は
それティッシュだから使うでしょう
鼻かみたいとき
鼻水でそうなとき
何か書いてあればつい読んでしまうのはヒトの性で
鼻かむの一瞬間に合わなかったりして
逆恨みを買うそのポエム
その現代詩、一行詩、一行物語、題名だけの詩
ながしそうめん

恨まれようと
くすっと笑われようと
読んでもらえたらうれしいよね

こぼした牛乳ふきとってポイでも
トイレに流されてさよーならーでも
だってそれティッシュだから
ほうこれは・・・
なんてコレクションされるより百倍いい

だれか
紙資源さえ用意すれば
ポケットティッシュ作ってくれて
それでそのとき
一緒にいくつかの言葉
順番に印刷しておいてくれるような
そんな機械
発明してくれないだろうか

技術的には
トイレットペーパーとか
チリ紙のほうが簡単そうだけど
それだとトイレ限定になっちゃうし

箱ティッシュや
キッチンペーパーでもいいけど
でもポケットティッシュのほうがいい
手渡せるから

読み心地よかったり
何か零して困ってる人がいたりしたら
それをまた誰かにあげられるから


自由詩 ティッシュ詩集 Copyright 小池房枝 2008-09-18 15:47:49
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