闇の完成
K・フラグメント

夢から覚めると 部屋だった
オレンジ色の 部屋だった
燃えるカアテン 葉の落ちた
枝の 輪郭うつってた
暗い暗い 椅子の陰
虫が一匹 逃げ込んだ
昼の夢から 這い出した
イモムシみたいに ぶよぶよで
十本脚は 針のよう
姿は見えぬが きっといる

ジリジリジリジリ ベルが鳴る
来客用の ベルが鳴る
誰だ?虫か?警察か?
宇宙の中の 何者も
俺に用事は 無いはずだ
だがそれでも 彼はいた
ドアを開けると 彼はいた
両手を真赤に 血で染めて
高層ビルに 落下する
瀕死の太陽(かみ)が そこにいた


自由詩 闇の完成 Copyright K・フラグメント 2008-09-18 10:21:24
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