コントロール#3 (イアンとデビーに)
《81》柴田望

耳朶  矯正せずに生活している人間 に 複眼と単眼 の 去る ゆうべ が 腐敗してゆく           
浮かび 呼ばれるたび の 活動                 
誰か の 光受容細胞 の                 
せり上る 偶数個 は タタカイながら では                
熱膨張 は 遅すぎる 男たち を 深くなる               
尼僧の恋文 を 正午(マヒル) に 周囲 を 果てた よ             
複眼 の 残念ながら 光受容器                 
闇 陸上に進出する 原口背唇部 は 少しも ドラマ の はいてゐる のだ。            
歳月 は 証す 波 で お前               
橋 の 校庭 な 語らず は  愛 に 矜持           
新しいもの を 色素量が極端に少ない場合 が 褐色の 街角               
適応放散の結果発生様式 の よろよろと ぼく と 目の障害 を 正す             
だれ のも 身 は とてもきれい 上手かった               
割れた 沸き上がる 同一の構造を備えた個眼の集合体 が とびのくやうに 夜盲症               
線上 に 君 を なめくぢ だとすれば               
音もなく 小さな しずまる 木                 
無数に 影 に とどく                 
告発 は 閉ぢてゐる を 無防備の あなた と 現前             
病気の しかないのだ 橋 を 世界                
ひといろ 使った後 に ふらんした 脱落                
やさしくなって 電子顕微鏡 の タイル の 隔壁               
焔 は 無 が 泪 は 振る              
泪 の 染めてくる 猿 に 波               
そのとき と 挨拶 に 呼ぶ  ひとり が 女 と           
移動する わたし は 死体として生まれ  ヒトの眼の構造 に そよぐ             


自由詩 コントロール#3 (イアンとデビーに) Copyright 《81》柴田望 2008-09-17 22:37:17
notebook Home 戻る