深夜メランコリー
笹子ゆら

セックスしようと思ったのはついさっきで
その相手がいないと気付いたのはもっと前だった


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昨日スパゲッティを食べた
くるくるとフォークで麺を絡めると
ほどけそうになったので
急いで口に放り込む
添加物の香りが、妙に鼻についた

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知らない合間に時間は進んでいる
そこから生まれる寂しさを
瞬きを繰り返して
やり過ごそうとするのだけれど
どこかしら冷ややかなまま

わたしはくちびるを揺らす
不具合だとでも言うように

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舌に残ったミートソースの味か
それともなんなのか
別にそんなことどうでもいい
苦いか甘いかなんてそんなこと
今更


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選別する
きみのことは嫌いじゃないけれど
と彼がつぶやいて


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深夜、布団の中で呼吸を狂わせる
まつげが震えるのは必然的であって
涙が出るのは、あなたのせいだ




自由詩 深夜メランコリー Copyright 笹子ゆら 2008-09-16 20:57:27
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