星に願いを
ささやま ひろ
流れ星に3回お願いしたら願いが叶うって
誰からともなく聞いてそれを知ったのは何歳のことだったろう
けどママは言ったんだよね
あなたが祈っていいのは神様だけなのよ
そういうのをgu-zo-su-haiって言うの
ぐーぞーすーはい
グーゾースーハイ
偶像崇拝
ママは少し怖い顔をしてた
お願いしちゃいけないの?
それは悪いことなの?
そしたらボク死んじゃうの?
その意味を理解したのは何歳の時だったかな
大人になって
あの小さい頃が遠い記憶になっても
サンテグジュペリを知っても
ディズニーの映画を観ても
ボクは何か重いものを飲み込むだけだった
それを孤独だって知ったのは
ベテランの大人になってからのことだ
煙草を吸ってたら突然思い出したこと
小さい頃から鍵をかけてずっと心に隠してきた孤独の箱
誰にも気づかれないように
誰にも触れられないように
それをそっと見つけ出して鍵を開けた君
まるで魔法使いのように
魔法なんてボクの人生にはあり得なかったけど
gu-zo-su-haiは
過去になって
そして
こんな歳になって魔法って言葉に興味を持つボクを
君はめずらしい人でも見つけたかのように笑ってる
明日は仕事
箒で空を飛ぶ絵空事はそろそろ終わりにして布団をかぶらなきゃ
君は寝てるのか寝たふりしてるのか
もう1本煙草を吸って寝よう
確か星が出てたよな
そしたら祈ろう
君をずっとずっと幸せに出来ますようにって