花火の夜(江戸川)
AB(なかほど)
猫が逃げました
ボヤが出ました
便所は汚すな
と
親切な貼り紙のアパートの
隣の部屋の人の顔
まだ見たことありません
のような午後の世界に
河川敷の花火
の音が聞こえる
暮れない夜に
君が百本の小説を乗り越え眠るころ
僕は一握の詩の前で童貞のままで
国際色の喧騒にしがみつきながらも
同じ月の夢に
ニャー
と哭く
自由詩
花火の夜(江戸川)
Copyright
AB(なかほど)
2004-07-27 22:46:01